足関節捻挫を引き起こす3つの要因|基礎知識と予防アプローチ紹介

1.足関節捻挫とは

足関節の基礎解剖と捻挫

足関節は脛骨・腓骨・距骨で構成されています。

それぞれの関節を支える靭帯には

内側の三角靭帯と外側の前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯が主にあります。

※画像:http://jcca.sub.jp/ccn/20181123.gif

 

距腿関節では底屈・背屈・内反・外反の運動が起こります。

 

捻挫とは、関節を支持する靭帯や関節包が

外力により損傷することいいます。

足関節でよくある捻挫は内反捻挫と外板捻挫であり、

最も多いのが内反捻挫です。

内反捻挫が多い理由は、外果が内果よりも低い位置にあるため

必然的に内反方向への可動性が大きくなるためです。

 

内反捻挫の重症度分類

Ⅰ度:前距腓靭帯の損傷

Ⅱ度:前距腓靭帯と踵腓靭帯

Ⅲ度:前距腓靭帯と踵腓靭帯と後距腓靭帯の損傷

※運動器障害 理学療法Ⅱ から引用

 

2.足関節捻挫を引き起こす要因

主に以下の3つがあります。

 

①足関節機能の低下

内外反をコントロールする後脛骨筋と腓骨筋の

バランスが崩れると足関節の安定性が失われます。

また、足趾の筋力に関わる足底内在筋は重心コントロールを担うため、

内在筋が機能低下をした際も安定性が失われます。

 

②股関節機能の低下

立位時、体重を支えるには足関節だけでなく

股関節の機能も重要になります。

股関節荷重の機能が低下すると足関節への負荷が上がり、

結果的に足関節が不安定になりやすくなります。

股関節機能低下の要因として、

可動性と安定性のバランスが

崩れることが挙げられます。

 

③体幹機能の低下

体を支える上で基本となる体幹機能(コア)が低下すると

股関節の機能も低下し、足関節の機能低下を招きやすくなります。

体幹機能が低下する要因としては

脊柱のアライメント不良などが挙げられます。

 

 

3.足関節捻挫を予防する機能改善アプローチ

足関節機能を改善する

DYJOCトレーニング(動的関節制動訓練)が効果的です。

よく知られているトレーニングにタオルギャザーや

足趾のグーパー運動があります。

また、バランスボード上での片脚立位や

スクワットエクササイズも効果的です。

DYJOCトレーニングでは足底内在筋を活性化させるほか、

足裏の感覚を高めることができ

重心コントロールの機能向上に役立ちます。 

 

股関節機能を改善する

ストレッチポール上でのペルコンエクササイズは

股関節の可動性を高めることができ、

またコアを使いながら股関節を動かすことにも効果的です。

適切な可動性を獲得した後

四つ這いや膝立ちでの股関節荷重を促すことで

安定性を獲得できます。

 

体幹機能を改善する

脊柱のマルアライメントを整えるためには、

まず可動性を獲得する必要があります。

ストレッチポールでのエクササイズや

キャットロールなどが有効です。

コアの活性化を行い、安定性を獲得した後

コアを使いながらバックブリッジを行うことで

股関節と足関節への荷重を促しつつ

大臀筋やハムストリングスを強化することができます。

 

まとめ

靭帯は一度損傷すると自然治癒はしないため

足関節捻挫を受傷しないように

 

予防を行なっていくことが重要です。